研究課題/領域番号 |
22686029
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
山納 康 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (30323380)
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キーワード | 真空 / 電気絶縁 / 長ギャップ / 大面積 / 表面分析 |
研究概要 |
真空中でcm級の長ギャップ高電圧実験を行うための真空高電圧用絶縁チャンバの設計および組み立てを行った。 真空高電圧絶縁チャンバに取り付ける多段式セラミック円筒碍子として、外径480mm、内径を440mm、高さ70mmの真空高耐電圧セラミック円筒碍子にメタライズ処理およびスリーブ・フランジのロー付けを行い、フランジを取りつけと組み立てを行って真空漏れの無いことを確認した。真空チャンバの排気系として新たにターボ分子ポンプを準備して排気を行い、真空中で長ギャップ絶縁破壊試験を行えるように準備を行った。 一般真空用無酸素銅電極材(JIS-C1020)で通常の旋盤加工によるロゴウスキータイプの電極を準備し、真空長ギャップ実験を実施した。結果、スパークコンディショニングによる絶縁破壊電圧の向上が観測され、1970年代の実験データの再現性を得た。また、本実験装置の検証行うことができた。 電極の表面処理手法として、金属研磨剤による真空絶縁破壊特性の影響を調査した。その結果、金属研磨剤により研磨することで電極表面は鏡面が得られ、洗浄処理も含めた複合的な効果から初期放電電界が向上したが、絶縁破壊特性のコンディショニング速度が低下した。SEMによる電極表面の観察とEDXによる電極の表面分析マッピング結果によると、研磨処理後には小孔や研磨条痕が現れ、研磨材が小孔に入り込んでいることが明らかとなり、これらが絶縁破壊特性に悪影響を及ぼした可能性があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
通常旋盤加工の雷極の絶縁破壊試験は実施したが、当初予定していたダイヤモンドバイト加工の電極の絶縁破壊試験が実施されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
ダイヤモンドバイト加工による精密機械加工を施した電極の絶縁破壊試験を実施し、この電極の表面仕上げが面積効果に与える影響を調査する。
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