1.研究目的 本研究では、以下の新規技術2つの組み合わせを用いて、帯域制限を受けない光電界複素振幅波形の測定法を提案する。(1)超高速光信号波形の時間軸を引き伸ばす技術、(2)位相雑音を除去し、光電界複素振幅を測定する技術。更に、この提案法を用いて超高速光電界複素振幅実時間オシロスコープを実現し、この装置を用いて100Gbit/sを超える符号速度の多値変調光信号のファイバ伝送特性を評価する。 2.平成22年度の研究成果 (1)光信号波形の時間軸を引き伸ばす技術を実現した。被測定光信号波形をチャープした光パルス強度にコピーし、そのコピー信号パルスを分散によって時間広がりを与え、信号波形の時間軸を引き伸ばした。実際に、この技術を用いて40Gbit/s強度変調信号を10倍引き伸ばした後、10GHz帯域の実時間オシロスコープを用いて引き伸ばした波形をシングルショット測定した。ビット判別可能であることが示された。 (2)位相雑音を除去する光電界振幅測定技術も実現した。光信号と同時に、その遅延信号もコヒーレント受信し、それらの位相差を求めることで、局所光の位相雑音を除去可能である。更に、局所光にピコ秒光パルス列を用いることで、超高速光サンプリングも実現した。これら技術を生かした測定系を実際に構築し、50Gbit/s QPSK光信号の電界複素振幅を測定し、システム評価可能な性能を有していることが示された。
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