研究課題
断層面や節理面に代表される不連続面の力学的な不安定化により、地震や斜面崩壊などの災害の多くが引き起こされると考えられているが、地質学的不連続面の力学的性質については未だ不明な点が多い。研究代表者は、その発生機構の解明及び影響の定量的評価法の確立に向けて理論研究を進めてきたが、本研究ではこの従来の研究課題を発展させ、数値解析に加え、実験力学的手法を用いて、不連続面の力学不安定化に関わる一連の物理現象の発生メカニズムと励起される波動の性質を究明するとともに、それによる構造物や都市の被災リスクを評価し、減災のための技術的提言を行うことを目的としている。プロジェクト初年度は、デジタル光弾性技術に基づいた破壊実験システムの構築を主に行い、応力分布の可視化(見える化)に必要となる光弾性実験装置を導入した。また、市街地での動的破壊実験を実施可能とするために、小型QスイッチNd:YAGレーザ発生装置を利用してより安全、より操作性に優れた実験システムを設計した。同時に、理論面では、人的、物的被害をもたらすと想定されている地震波周波数の一般的範囲よりも低周波側の地震波が引き起こした構造物(群)の損傷を例として、「想定外」の地震動記録や構造物動的挙動に関する解析を行った。研究成果は、American Geophysical Union 2010 Fall Meetingや40th Symposium on Reck Mechanicsなどにおいて発表されている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)
Proceedings of the 40th Symposium on Rock Mechanics
ページ: 104-108
Report of the Research Center for Urban Safety and Security, Kobe University
巻: 14 ページ: 13-22