研究課題/領域番号 |
22686044
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上西 幸司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60311776)
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キーワード | 破壊力学 / 地盤工学 / 自然災害 / 地震 / 界面不安定現象 / 不連続面のすべり / 斜面崩壊 / トンネル崩落 |
研究概要 |
断層面や節理面に代表される不連続面の力学的な不安定化により、地震や斜面崩壊などの災害の多くが引き起こされると考えられているが、地質学的不連続面の力学的性質については未だ不明な点が多い。研究代表者は、その発生機構の解明及び影響の定量的評価法の確立に向けて理論研究を進めてきたが、本研究ではこの従来の研究課題を発展させ、数値解析に加え、実験力学的手法を用いて、不連続面の力学不安定化に関わる一連の物理現象の発生メカニズムと励起される波動の性質を究明するとともに、それによる構造物や都市の被災リスクを評価し、減災のための技術的提言を行うことを目的としている。平成23年度は、昨年度に導入した光弾性技術に基づいたデジタル破壊実験システムにさらにカラーで長時間撮影可能な高速度デジタルビデオカメラを追加し、応力分布の可視化(見える化)に必要となる光弾性実験装置を構築した。開発した計算機、実験システムを並行的に利用しつつ、破壊進展に伴い解放される波動等の特性について、理論・数値解析及び脆性材料(メタクリル樹脂)を用いた破壊実験を進めた。研究成果については、13th International Conference of the International Association for Computer Methods and Advances in Geomechanics(オーストラリア・メルボルン)、8th International Conference on Structural Dynamics(ベルギー・ルーヴァン)などにおいて逐次最新のものを発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響により高速度デジタルビデオカメラ購入のための予算が実際に執行可能となったのが平成23年秋となったが、前年度からの研究活動の積み重ねもあり、理論、実験の成果ともに学際的に発表できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は本研究課題実施の最終年度となる。平成23年度までに実験設備などはほぼ当初の計画通り整備、拡張されているので、最終年度はこれまでの研究成果の発表を中心として実施していく予定である。
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