交通工学が対象とする現象には多くのものがあるが,それらは,移動空間という限られた資源を,複数の移動主体が,時空間的に共用する,という共通の枠組で解釈できる.本研究では進化ゲーム理論を応用してこれらを体系化した「時空間進化ゲーム」を構築することを目的とした.離散型交通流モデル,情報収集モデル,不完全情報化の行動と学習のモデルを定式化し,それらの性質を理論・計算的アプローチだけでなくバーチャルリアリティ等を活用した実験的アプローチにより検証した.そして,これらの知見を統合し時空間進化ゲームの枠組みを提案した.
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