本研究ではノロウイルス粒子を特異的に捕捉する組織血液型決定抗原(histo-blood group antigen: HBGA)類似糖鎖を保持するヒト腸内細菌を分離・同定することを試みた。その結果、HBGA様物質を保持する腸内細菌Enterobacter sp. SENG-6を単離することに成功した。さらに、この腸内細菌は細胞外物質としてA型様抗原を分泌していることを確認し、このA型様抗原を介してノロウイルス粒子を特異的に捕捉可能であることを確認した。以上の結果は、HBGA陽性細菌がノロウイルス粒子を捕捉することで、その生活環に大きな影響を与えていることを示す重要な成果であると言える。
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