研究課題/領域番号 |
22686055
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐古井 智紀 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (70371044)
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キーワード | 温熱環境 / 熱移動 / 作用温度 / 熱伝達率 / 不均一環境 / サーマルマネキン |
研究概要 |
本研究の目的は、日常空間における人体局所からの放熱の対流成分、放射成分、気流や着衣に依って変化する人体局所からの熱伝達特性、人体局所に対する環境の代表気温や代表放射温度を計測する新しいサーマルマネキンを開発し、さらには人体熱モデルを統合することによって、温熱生理状態をも評価するシステムを得ることである。 平成22年度に設計した発熱・計測・制御システムを、同じく平成22年度試作した黒と銀、および黒と銀の縞の円筒型の局所サーマルマネキンシステムに実装し、0.01℃の分解能で平均表面温度を一定値に制御し、発熱量を計測するシステムを得た。ただし、今年度は熱伝達係数と投下作用温度を決定するための、2点温度サイクル制御の実現には至らなかった。 衣服内空間の対流と放射による熱移動、および平成22年度に得た衣服内空間厚さを推定するための理論式を実証するため、黒と銀の発熱円筒を生地で被覆する実験を行った。対流および放射による熱移動の影響以上に、衣服内空間厚さのばらつきに伴う生地と発熱体間の熱伝導の影響が大きく、黒と銀の放射率の違いによって衣服内空間の対流、および放射による熱移動を分離することは不可能、との結果に至った。 実サーマルマネキンに2つの表面温度を設定することで、等温パーソナル空調、パーソナル放射冷房時の局所作用温度、局所熱伝達係数を決定した。これらのデータを部位分割人体熱モデルへの入力することで、人体局所の温熱生理状態を評価できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
円筒の単純形状では、計画通りの表面の平均温度を測定し、かつ、表面全体からの発熱量を計測、一定値に制御するシステムを具体化できた。ただし、複雑な実人体形状として具体化するにあたり、一旦はシステムを作成できるとの見通しをもらい試作を委託予定だったメーカーから、「技術的に作成出来ない」、と言ってきたため、3Dプロッタを用い、自分たちで製作することとした。この変更のため、予定より進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に作成した黒と銀、および黒と銀の縞の円筒型の局所サーマルマネキンシステムに2点温度サイクル制御を実装し、短時間の計測で局所の熱伝達係数と作用温度を決定するシステムを具体化する。 3Dプロッタを用い、複雑な人体形状を模擬したサーマルマネキンを具体化し、2点温度サイクル制御を実装する。温熱生理状態の分布を評価できるサーマルマネキンを具体化する。
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