本研究課題はベトナム・フエ周域の伝統木造建築について往時の設計技術を検討するために,現存遺構の詳細実測調査に重点をおいて実施された.研究期間の4年間で[1.フエ周域の伝統家屋の詳細な実測調査(30棟)],[2.ベトナム中部のディンの実測調査(6棟)]の2項目,合計36棟の実測調査の達成を目標として実施し,結果として4年間通算で伝統家屋32棟およびディン9棟の実測調査を実施し,当初の計画以上の調査成果を得た.伝統家屋においては,梁行柱間4尺と桁行柱間6尺が基準となる傾向,棟木高さは10尺程度とする傾向,部材太さは柱間と無関係に実寸指定される傾向などが見出された.
|