包晶反応と共析逆変態反応による超微細粒鋼の創製

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22686067
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 材料加工・処理
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 大野 宗一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30431331)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: 微細粒鋼 / 鋳造 / 凝固 / シミュレーション / 包晶反応 / 共析反応

研究概要

本研究は、炭素鋼において高温で形成する結晶粒(オーステナイト粒)組織を、変形によるひずみを付与することなく、合金の成分調整と凝固・熱処理プロセスの制御のみで微細化することを目的としたものである。Ti、V、Nbの添加、凝固中の冷却条件制御、その後の加熱条件制御による効果を理論・実験・シミュレーションによって検討し、微細化条件を探索した。その結果、Tiを添加し、金型鋳造後に速やかな加熱を行うことで、おおよそ1ミクロンのサイズまで微細化することが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Existence or nonexistence of thermal pinning effect in grain growth under temperature gradient (2013)
  • 著者名/発表者名: M. Ohno, T. Yamaguchi, D. Sato, K. Matsuura
  • 雑誌名: Computational Materials Science 巻: 69巻 ページ: 7-13
  • 査読あり
• [雑誌論文] Quantitative phase-field modeling of nonisothermal solidification in dilute multicomponent alloys with arbitrary diffusivies (2012)
  • 著者名/発表者名: M. Ohno
  • 雑誌名: Physical Review E 巻: 86巻 ページ: 051603-1-15
  • 査読あり
• [雑誌論文] Austenite Grain Growth in Peritectic Solidified Carbon Steels Analyzed by Phase-Field Simulation (2012)
  • 著者名/発表者名: M. Ohno, S. Tsuchiya, and K. Matsuura
  • 雑誌名: Metallurgical Materials Transactions A 巻: 43A巻 ページ: 2031-2042
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of Ti Addition on AusteniteGrain Growth during Reheating of As-Cast0.2 mass% Carbon Steel (2012)
  • 著者名/発表者名: M. Ohno, C. Murakami, K. Matsuura and K.Isobe
  • 雑誌名: ISIJ International 巻: 52巻 ページ: 1832-1840
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of Second Phase Particle Dispersion on Kinetics of Isothermal Peritectic Transformation in Fe-C Alloy (2012)
  • 著者名/発表者名: L. Chen, K. Matsuura, D. Sato, M. Ohno
  • 雑誌名: ISIJ International 巻: 52巻 ページ: 434-440
  • 査読あり
• [雑誌論文] Transition of solidification mode and the as-cast γ grain structure (2012)
  • 著者名/発表者名: S. Tsuchiya, M. Ohno, K.Matsuura
  • 雑誌名: Acta Materialia 巻: 60巻 ページ: 2927-2938
  • 査読あり
• [雑誌論文] Suppression of Coarse Columnar Grain Formation in As-cast Austenite (2011)
  • 著者名/発表者名: M. Ohno, T. Yamaguchi, K. Matsuura and K.Isobe
  • 雑誌名: ISIJ International 巻: 51巻 ページ: 1831-1837
  • 査読あり
• [雑誌論文] Formation conditions of coarse columnar austenite grain structure in peritectic carbons steels (2011)
  • 著者名/発表者名: M. Ohno, S. Tsuchiya, K.Matsuura
  • 雑誌名: Acta Materialia 巻: 59巻 ページ: 5700-5709
  • 査読あり
• [雑誌論文] Formation mechanism of coarse columnar grains in as-cast hyperperitectic carbonsteels (2011)
  • 著者名/発表者名: T. Tsuchiya, M. Ohno, K. Matsuura, K. Isobe
  • 雑誌名: Acta Materialia 巻: 59巻 ページ: 3334-3342
  • 査読あり
• [学会発表] 包晶凝固鋼鋳片における粗大柱状γ粒組織形成の選択条件 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 日本鉄鋼協会第165回春季講演大会
  • 発表場所: 東京電機大学
  • 年月日: 20130327-29
• [学会発表] Ti添加した炭素鋼鋳片における逆変態オーステナイト粒組織の微細化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大西亘、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 平成24年度日本金属学会・日本鉄鋼協会両支部合同冬季講演大会
  • 発表場所: 室蘭工業大学
  • 年月日: 20130124-25
• [学会発表] 0.2mass%炭素鋼における粗大柱状γ粒組織の形成条件 (2012)
  • 著者名/発表者名: 丸山正人、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 日本鉄鋼協会第164回秋季講演大会
  • 発表場所: 愛媛大学
  • 年月日: 20120917-19
• [学会発表] Ti添加鋼における逆変態オーステナイト粒組織に及ぼす繰り返し加熱の影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大西亘、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 平成24年度日本金属学会・日本鉄鋼協会北海道支部合同サマーセッション
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-07-24
• [学会発表] 炭素鋼における逆変態γ粒組織に対する初期組織の影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 星洋平、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 平成24年度日本金属学会・日本鉄鋼協会北海道支部合同サマーセッション
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-07-24
• [学会発表] 0.2mass%C鋼における粗大柱状γ粒組織の形成条件 (2012)
  • 著者名/発表者名: 丸山正人、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 平成24年度日本金属学会・日本鉄鋼協会北海道支部合同サマーセッション
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-07-24
• [学会発表] 包晶凝固鋼の連鋳鋳片におけるγ粒径予測式の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 日本鉄鋼協会第163回秋季講演大会
  • 発表場所: 横浜国立大学
  • 年月日: 2012-03-30
• [学会発表] 包晶凝固鋼における連鋳鋳片γ粒組織の形成機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大野宗一
  • 学会等名: 第146回製鋼部会
  • 発表場所: ホテル日航姫路.
  • 年月日: 2012-03-15
• [学会発表] 不連続粒成長シミュレーション法の開発と鋼の連鋳鋳造への応用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 東京大学物性研究所協同利用スパコン成果報告会「計算科学の課題と展望
  • 発表場所: 東京大学物性研究所
  • 年月日: 2012-02-20
• [学会発表] 炭素鋼の鋳片γ粒組織形成機構の解明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 土屋真悟、大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 平成23年度日本金属学会・日本鉄鋼協会両支部合同冬季講演大会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-01-20
• [学会発表] 炭素鋼のδ/γ異相界面移動に及ぼすピン止め効果に関するフェーズフィールドシミュレーション (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐藤大祐、大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 日本金属学会第149回秋季講演大会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター
  • 年月日: 2011-11-07
• [学会発表] フェーズフィールドシミュレーションによる連鋳鋳片γ粒の柱状粗大化過程の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 日本鉄鋼協会第162回春季講演大会
  • 発表場所: 大阪大学
  • 年月日: 2011-09-22
• [学会発表] 過包晶鋼の鋳片γ粒組織に及ぼす炭素濃度の影響 (2011)
  • 著者名/発表者名: 土屋真悟、大野宗一、松浦清隆
  • 学会等名: 日本鉄鋼協会第162回春季講演大会
  • 発表場所: 大阪大学
  • 年月日: 2011-09-02
• [学会発表] 炭素鋼の凝固後及び逆変態後の結晶粒組織に及ぼすV添加の影響 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大西亘、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 平成23年度日本金属学会・日本鉄鋼協会北海道支部合同サマーセッション
  • 発表場所: 室蘭工業大学
  • 年月日: 2011-07-22
• [学会発表] 包晶凝固及び共析逆変態のγ粒組織に及ぼすNb添加の影響 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口鉄矢、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 日本鉄鋼協会第160回秋季講演大会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 20100925-27
• [学会発表] 時間分解観察による凝固現象の素過程の解明と課題(計算) (2010)
  • 著者名/発表者名: 大野宗一
  • 学会等名: 東北大学金属材料研究所シンポジウム
  • 発表場所: 東北大学
  • 年月日: 2010-07-27
• [学会発表] Ti添加による中炭素鋼の逆変態オーステナイト粒微細化挙動 (2010)
  • 著者名/発表者名: 村上ちひろ、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 日本鋳造工学会平成22年北海道支部大会
  • 発表場所: JSTイノベーションプラザ北海道.
  • 年月日: 2010-04-23
• [学会発表] 包晶凝固過程における粗大柱状オーステナイト結晶粒組織の形成メカニズム (2010)
  • 著者名/発表者名: 土屋真悟、大野宗一、松浦清隆、磯部浩一
  • 学会等名: 日本鋳造工学会平成22年北海道支部大会
  • 発表場所: JSTイノベーションプラザ北海道
  • 年月日: 2010-04-23