研究課題
前年度に引き続きICP光源で生成するプローブ光のプロファイル形状の評価を行った.常温のキセノンセルを用いることで,プロファイル形状の数密度測定への影響を調べ「プラズマ応用科学」にて報告した.またこの結果を逆に利用し,光源と入射窓の間の吸収原子数密度を能動的に制御することで,測定対象数密度に最適なプロファイル形状を生成する手法を提案し,実際に従来では2桁程度であった数密度測定領域を5桁以上に拡大させることを実験的に立証した.本結果は「Review of Scientific Instruments」にて報告した.上記手法はまたECRマイクロ波放電管を用いて生成した酸素原子数密度測定にも適用し,実際に測定可能であることを実証した. 以上の結果より,プローブ光を生成するICP光源内でプローブ光の中心波長付近が大きく吸収されるため,この光を集光しても吸収飽和を起こすのは難しいことがわかった.そこで,ICP放電管内にオリフィスを設置し,オリフィス下流側にプラズマを生成し,上流側を高真空ポンプで排気することで圧力を生成部より一桁以上下げることで中心波長付近の吸収を抑制しようと試みた.その結果,レーザー吸収分光法によりオリフィス上流1mmの位置において,エネルギー準位の高い共鳴準位(8.44eV)の数密度が低い準安定準位(8.32eV)の数密度を上回る反転分布であることがわかった.またこの数密度測定の結果からプローブ光強度は0.6mW/mm2であることがわかりこれは吸収飽和を生じさせることが可能な強度である.しかしながら上流2mmではこの強度が一桁下がるため,実用化するにはオリフィス直後にMgF2付の中空ファイバを設置し,測定対象まで導入する必要がある.本結果は第56回宇宙科学技術連合講演会で発表し,学生最優秀賞を受賞した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Review of Scientific Instruments
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http://dx.doi.org/10.1063/1.4770118
プラズマ応用科学
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