研究課題
都市鉱山の回収実績について、使用済み製品からの素材回収率(end-of-life recycling rate)を指標として、昨年度よりも多くの複数のベースメタルを対象に、より不確実性の低い手法を確立し、時系列で推計した。推計に用いるパラメータの1つである製品使用年数の時系列変化について、従来の製造年基準ではなく、観測年基準を用いた変化の解析手法を新たに確立した。今後の回収可能性に対して実績を適用することとし、実績の未回収分を、使用済み製品として回収されていないもの、使用済み製品から素材スクラップとして回収されていないものを区別し、都市鉱山を定量的に区分した。使用済み製品が排出されてから、再度素材としてリサイクルされるまでの間に、各プロセスが実施されるかどうかの意思決定を支配する要因を抽出し、プロセスに応じて構造化した。これにより、どの要因が変化することで、リサイクルが実施されるように意思決定が変わるかを想定できた。先の定量データと合わせることで、循環型社会の形成に向けて実施する方策に応じ、都市鉱山の可採埋蔵量がどの程度増加するかを、その効果量とともに評価するモデルを構築した。構築したモデルは、ネオジム磁石を事例として適用された。モデルから得られた成果としては、ネオジム磁石中のDyのリサイクルを促進するためには、スクラップ取引市場の形成あるいは、法制度による回収義務化が挙げられた。さらに、使用済み製品から素材スクラップとして回収されないもののうち、Non-functional recyclingとしての鉄鋼材へのトランプエレメントの混入を定量化するために、観測されたトランプエレメント濃度分布から、スクラップへの他素材の混入による影響と、もともと鋼材中に合金化されていた元素の繰り返しリサイクルによる影響を識別する簡易モデルを構築した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 82 ページ: 35-40
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