研究課題
つなぎ変わる磁場と同程度のガイド磁場の存在下で2MHz程度の単色低周波波動が発生するメカニズムを解明するために、静電揺動の検出ならびにガイド磁場強度に対する磁場揺動の依存性を検証した。静電揺動のスペクトルは磁場揺動と同じく2MHz程度に強いピークを有するものの、高周波側にテールを引く構造をしていることから、静電波を駆動するメカニズムの存在が示唆された。一方でガイド磁場強度依存性については、10倍程度大きいガイド磁境下でも同様に2MHz近傍の単色性の強い磁場揺動が検出された一方で、ガイド磁場がほとんど無いケースでは低域混成周波数帯(13MHz)までの広い周波数帯での揺動が検出された。後者については、米国で実施された先行研究と一致する傾向にあることから、本研究で新たに発見された単色低周波揺動の発生にはガイド磁場の存在が不可欠であると考えられる。高ガイド磁場中での高速電子を検出するために軟X線計測を行ったところ、リコネクションに同期して急激な軟X線の増光現象が観測された。トムソン散乱によるバルク電子温度計測結果と比較したところ、軟X線の増光は非熱的な高速電子によってもたらされたものと解釈できることから、単色磁場揺動の発生についても電場によって磁場に平行方向に加速された高速電子による不安定性の励起が有力であると考えられる。リコネクション上流/下流領域での、磁場、熱、フローおよび波動のエネルギー収支を定量的に評価したところ、上流側の磁場エネルギーが下流側の熱エネルギーに転換される過程において、バルクイオンフローおよび波動を介するエネルギー転換は支配的ではないことが明らかになった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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