研究課題
若手研究(A)
1.ATML1が胚の細胞運命に与える影響を調べるために、胚全体の細胞で、ATML1を発現させる実験をおこなった。ATML1の過剰発現は胚致死になることが予測されたため、二成分転写誘導系と、エストラジオール転写誘導系を確立した。胚珠培養法の条件検討をすることで、どちらの方法でも、胚全体でATML1の発現を誘導することが可能となった。2.得られた形質転換体を用いて、ATML1の転写活性化能を可視化する実験をおこなった。ATMLプロモーターにGFPをつないだレポーター系統で、ATML1の過剰発現実験をおこなったところ、胚の内層でも、ATML1プロモーターの活性が検出されるようになった。3.また、芽生え全体でGFPと融合させたATML1(GFP-ATML1)を過剰発現したところ、内側の細胞層でもGFP蛍光は核で観察され、GFP-ATML1は表皮でない細胞でも核に局在できることが明らかとなった。これまでATML1過剰発現の効果はまったく解析されていなかった。今回得られた系統はATML1の位置依存的な制御機構だけでなく、植物の表皮形成に関わるシグナル伝達経路を解明するための有効なツールとなる。4.ATML1の転写制御領域に結合する転写因子複合体を同定するための準備として、細胞内でレプリコンのコピー数を調節するための親系統を確立した。エタノールによる転写誘導系では厳密な発現調節が難しかったため、エストラジオールを利用した転写誘導系を利用し、安定してRepの発現量を調節できる系統を得た。5.胚致死変異体をスクリーニングするための準備として、胚の最外層、内層、胚柄を同時に可視化するためのコンストラクトを作製した。
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Plant & Cell Physiology
巻: 51 ページ: 2145-2151
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~shinobu_takada/index.html