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2012 年度 実績報告書

視床下部で見出した新規摂食関連遺伝子及び翻訳産物の生理機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22687004
研究機関広島大学

研究代表者

浮穴 和義  広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (10304370)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード新規遺伝子 / 神経ペプチド / 構造解析 / 摂食行動 / 視床下部
研究概要

我々は、鳥類(ニワトリ)及び哺乳類(ラットとマウス)において48時間絶食条件下や摂食関連病態モデル(肥満及び糖尿病)動物で発現量が変化する新規摂食関連遺伝子を最近見出している。本新規遺伝子から翻訳されるタンパク質には分泌性ペプチドがコードされていると考えられ、新規神経ペプチドの前駆体遺伝子である可能性が高い。本研究では新規遺伝子がコードしている神経ペプチドを同定し、本ペプチドの生理機能を解明することを目的としている。本年度は以下の研究を行った。①新規摂食調節関連遺伝子の翻訳産物である成熟神経ペプチドの構造決定:新規神経ペプチドの内部にはシステイン残基が複数あることから、どのようなジスルフィド結合の架橋パターンをとるかは不明であった。そこで、本年度はジヒドロ葉酸レダクターゼ(dhfr)遺伝子欠失のCHO細胞においてメトトレキセート(MTX)を用いた遺伝子増幅を行い、大量に成熟神経ペプチドを産出させ、ジスルフィド結合の架橋パターンを明らかにすることが出来た。②新規摂食調節関連遺伝子及び成熟神経ペプチドによる摂食行動への影響:成熟神経ペプチドは、昨年度に摂食促進効果を示すことを明らかにしている。本年度はさらに、高カロリー食給餌条件下でのペプチド投与を行った。その結果、普通食よりも高カロリー食給餌条件下で、より顕著な摂食促進効果を示すことが明らかになった。③脊椎動物における新規摂食調節関連遺伝子の分子系統学的解析:これまでの解析から鳥類のニワトリや哺乳類のラット、マウス、ヒトなどで新規遺伝子が発現していることを明らかにしている。そこで、ゲノムDNAデータベース解析から、他の脊椎動物において新規遺伝子が存在しているのかどうかをバイオインフォマティクス的手法により解析した。その結果、円口類のヤツメウナギには既に新規遺伝子が存在することを示す結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画した実験計画を着実に行い、予測していた結果をおおむね得ることができている。

今後の研究の推進方策

今後も新規遺伝子及び翻訳産物の神経ペプチドの生理機能と作用機序について解析を進めていく。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Identification, localization and function of a novel neuropeptide, 26RFa, and its cognate receptor, GPR103, in the avian hypothalamus.2013

    • 著者名/発表者名
      Ukena K
    • 雑誌名

      General and Comparative Endocrinology

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.ygcen.2013.03.014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification, expression, and physiological functions of Siberian hamster gonadotropin-inhibitory hormone.2012

    • 著者名/発表者名
      Ubuka T
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 153 ページ: 373-385

    • DOI

      doi: 10.1210/en.2011-1110

    • 査読あり
  • [学会発表] 視床下部新規遺伝子がコードしている神経ペプチドの効率的産出方法の確立

    • 著者名/発表者名
      益田恵子
    • 学会等名
      第83回日本動物学会大会
    • 発表場所
      大阪
  • [学会発表] 視床下部で発見した新規遺伝子は分泌性ペプチドの前駆体か?

    • 著者名/発表者名
      古満芽久美
    • 学会等名
      第83回日本動物学会大会
    • 発表場所
      大阪
  • [学会発表] ラットの視床下部新規遺伝子がコードしている神経ペプチドの摂食行動への影響

    • 著者名/発表者名
      鹿野健史朗
    • 学会等名
      第37回日本比較内分泌学会大会
    • 発表場所
      福井
  • [学会発表] 異なるエネルギー代謝状態におけるラットの視床下部新規遺伝子mRNA発現解析

    • 著者名/発表者名
      近藤邦裕
    • 学会等名
      第37回日本比較内分泌学会大会
    • 発表場所
      福井
  • [学会発表] 鳥類の視床下部で発見した新規神経ペプチド前駆体遺伝子の機能解析―摂食調節に着目して―

    • 著者名/発表者名
      浮穴和義
    • 学会等名
      第46回日本味と匂学会 シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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