研究概要 |
本課題の主要な研究成果は,X線小角散乱を始めとする各種分光法を用いてKaiCの動的構造変化を捉えたことである.KaiCはドーナツを2つ積み上げたような2重のリング状構造をしており,片方のリングにある「周期を規定するATPase」の制御状態と密に連動して,もう片方のリング半径が膨らんだり,縮んだりを繰り返す.あたかも,心臓が拍動するかのように形状をリズミカルに膨張・収縮させることで,24時間周期で時を刻むことが解明された.また,KaiCの分子鼓動が蛍光分光法でリアルタイム計測できるようになった.これらの成果により,KaiCに内包された周期決定因子と離合集散プロセスをカップリングさせる分子機構の一端が解明された.
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