研究課題
顔面形態をはじめとするヒトの量的可視形質には、個体差や集団差が存在している。ヒトの量的可視形質については、その遺伝性が認識されているにもかかわらず、未だ遺伝因子が不明なものが多い。その要因として、軟部組織形態の解析方法が確立していない点、正常形質が遺伝子関連解析の研究対象として扱われることが少ない点が挙げられる。そこで本研究では、非接触三次元スキャナを導入した現代日本人の顔面形態解析を行い、DNAマイクロアレイを用いたゲノムワイドSNP関連解析を行うことで、関連する遺伝子多型を同定することを目的とする。最終年度において、以下のような成果を得た。1. 顔面形態データの解析:日本人約750人の三次元顔形状データを用いて、細分化曲面理論に基づいた相同モデリングを行い、主成分分析によって三次元顔面形態の共変動パターンを観察した。また、得られた主成分を目的変数、性別、地域、身長、BMIを説明変数として重回帰分析をすることで顔面形態パターンに関与する因子を特定した。2. ゲノムワイドSNPタイピングおよび関連解析: 点間距離などの計測項目あるいは主成分得点などを指標として、顔面形態に関連する遺伝子多型を同定するため、ゲノムワイド関連解析を行った。その結果、頬骨弓幅などの項目にゲノムワイドで有意(P<5.0E-08)に関連するSNPを同定した。しかしながら、本研究の結果では、先行研究で報告されていたPAX3遺伝子などに存在するSNPと顔面形態との関連は、追認されなかった。結論として、本研究により、顔面形態の性差や地域差を具体的かつ客観的に示すことに成功した。さらに、顔面形態に関連する新規のSNPを同定することができた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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