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2011 年度 実績報告書

可逆・不可逆的なクロマチン環境を制御する新たなエピゲノムコードの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22688008
研究機関東京大学

研究代表者

武山 健一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (30323570)

キーワードエピゲノムコード / 細胞分化 / 転写制御 / Zfpタンパク / クロマチン環境
研究概要

「研究の目的」
時期や組織特異的な遺伝情報の伝達において、ヒストン八量体からなるヌクレオソームを基本単位としたクロマチン高次構造(環境)は、絶えず多様に変化する。一般にクロマチン環境は、体細胞でのホルモン応答や栄養状態による可逆的な変化と、個体発生や細胞分化時の不可逆的な変化が生じる。近年、これら変化は、遺伝子の配列や修飾に基づく情報に加え、ヒストンの修飾や置換を伴うエピゲノム制御機構と考えられるようになった。本研究では、申請者がこれまで転写制御機構を解析した転写因子群を基軸として、新たなクロマチン環境制御因子群を同定することで、クロマチン環境の可逆性と不可逆性を規定するエピゲノムコードを見出すことを目的とした。
「研究実施計画とその成果」
間葉系幹細胞の中でも骨芽細胞、脂肪細胞、B細胞など分化系譜に必須となるZinc fingerタンパク質(Zfp)の機能解析のため、核内におけるZfpタンパク複合体精製を行った。興味深いことに既知のクロマチンリモデリング因子複合体構成因子に加え、これまで染色体上では着目されていない酵素を見いだした。更にこの酵素活性が複合体中に存在することが判明し、この酵素活性が不可逆的なエピゲノムの分子機構を説明する糸口となると期待された。今後、Zfpタンパクとこの酵素の複合体が標的とするクロマチン上における新たな基質の同定を次の課題とし、更なる解析を進める予定である。その成果により、本研究課題の不可逆性を示すクロマチン環境の一端を理解できると予想する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究計画当初、本研究課題の一つである「不可逆的なエピゲノム制御機構の解明」において、研究の切り口が非常に難しいと考えていたが、Zfpタンパク複合体の精製によりその構成因子の一つの酵素が取得でき、この酵素の機能解析により大きく進展できると期待される。

今後の研究の推進方策

Zfpタンパク複合体の精製により取得された新たな酵素が、不可逆的なエピゲノム制御を担うことが予測され、本研究課題の今後の推進対策として、この酵素の機能解析を中心に、細胞分化の現象をどの程度明確に説明できるかを明らかにしたいと考える。本研究計画の変更や問題点は該当しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Ecdysone receptor (EcR) suppresses lipid accumulation in the Drosophila fat body via transcription control2012

    • 著者名/発表者名
      Kamoshida Y, Fujiyama-Nakamura S, Kimura S, Suzuki E, Lim J, Shiozaki-Sato Y, Kato S, Takeyama KI
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epigenetic silencing of core histone genes by HERS in Drosophila2012

    • 著者名/発表者名
      Ito S, et al.
    • 雑誌名

      Molecular Cell

      巻: 45 ページ: 494-504

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The vitamin D3 1alpha-hydroxylase gene and its regulation by active vitamin D32011

    • 著者名/発表者名
      Takeyama K, Kato S
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 75 ページ: 208-213

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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