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2012 年度 実績報告書

コンプトンカメラによる植物体内の複数物質同時イメージング技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22688021
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

河地 有木  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70414521)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードイメージング / コンプトンカメラ / 植物栄養動態 / 複数核種同時撮像
研究概要

植物中複数物質の同時イメージング実験を実施した。
実験の実施に向け、まず撮像環境(撮像対象植物の生理状態を担保できる光環境、温度環境をコントロールできる機器、撮像中の支持、RI投与といった操作が可能な水耕液容器の製作等)の整備を行った。また、これまでに明らかになったコンプトンカメラの性能に応じた線源の選択と投与量の最適化を行った。さらに、コンプトンカメラ特有の感度分布を補正するため、半導体検出器が持つ断面積を厳密に計算するアルゴリズムを、従来の画像再構成法である最尤推定期待値最大化再構成法に組み込んだ。本手法が、植物イメージング実験を模擬した視野内で、十分な感度補正が行えるかを、植物を模した線状の線源を作成し(ラインファントム)、これを撮像することで評価した。
イメージング実験における撮像対象植物はイネとし、視野にはその基部周辺を設置した。使用した非密封線源はNa-22(511 keV)溶液とMn-54(835 keV)溶液で、それぞれ約数MBqを同時に水耕液中に投与した。投与後3日後の画像では、両核種共に水耕液中から植物体内へと吸収され、根を経て基部に到達していることを示す、基部に強い集積が見られる画像データが得られた。同時に撮像できた2画像を比較したところ、マンガンは基部にとどまっているのに対して、ナトリウムは基部から先の葉への転流が見られた。このように体内動態の異なる元素を同時に撮像できることが示され、コンプトンカメラによる複数核種同時撮像の意義を示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

すでに、コンプトンカメラを用いた植物中の複数核種同時イメージング実験(イネに同時に投与したMnとNaの動態をそれぞれ撮像)が成功しているため、当初の計画以上に進展していると言える。本研究課題の第一の目的である「植物体内の複数物質同時イメージング」はすでに達成できており、さらなる供試植物の生理機能の画像解析技術への展開をはかる予定である。

今後の研究の推進方策

今後は投与したRIトレーサ分布の経時的な変化を撮像できるような撮像技術の高度化を行い、植物生理機能を定量解析できる動画像の取得を目指す。

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公開日: 2014-07-24  

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