研究課題
リンパ腫の分子病態に基づく微小残存病変(MRD)定量による治療効果判定・再発予測法の確立に関しては、犬において最も発生頻度の高いB細胞性高悪性度リンパ腫に対して、多剤併用化学療法経過中にMRDを測定し、個々の抗癌剤の客観的かつ詳細な効果判定法としてMRD測定が極めて有用であり、抗癌剤の種類によって効果に有意差が生じること示した。さらに、抗腫瘍寛解導入療法の特に初期においてMRDの経時的変化が症例の予後に有意な影響を及ぼすことが明らかとなり、犬のリンパ腫におけるMRD測定の臨床的有用性が示された。一方、犬のリンパ系腫瘍においてp14,p15,p16,ABCB1,ABCG2の各遺伝子は後成的変化などによりmRNA発現に変化を生じている可能性があり、p16発現は症例の予後と有意な相関を示していた。また、NFkBの各蛋白が過剰発言しており、阻害薬であるボルテゾミブが腫瘍増殖抑制効果を示すことを明らかにした。さらに、猫のリンパ腫における細胞形態学的分類法を確立し、形態的分類に基づく悪性度が症例の予後に有意な影響を及ぼしていることを明らかにし、臨床的に極めて有用な分類法であることが示唆された。肥満細胞腫におけるTK遺伝子変異・リン酸化解析に基づく治療効果判定・予後予測法の確立に関しては、異なるc-kit塩基配列を有する犬の肥満細胞腫に対して、臨床的に使用可能であるTK阻害分子標的薬による抗腫瘍効果を解析し、c-kit塩基配列により効果を示す薬剤および薬用量が異なることを明らかにした。さらに、c-kit変異および腫瘍細胞形態に基づく悪性度分類は症例の治療反応性や予後に有意な影響を及ぼすことを明らかにし、犬の肥満細胞腫において極めて臨床的有用性の高い新たな治療指針および予後評価法を示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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