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2011 年度 実績報告書

新たなるリンパ球ナチュラルヘルパー細胞の寄生虫排除機構における役割

研究課題

研究課題/領域番号 22689013
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

茂呂 和世  慶應義塾大学, 医学部, 特任助教(非常勤) (90468489)

キーワードナチュラルヘルパー細胞 / 寄生虫感染 / IL-33 / IL-25 / 肺 / Th2
研究概要

脂肪組織に存在するfat-associated lymphoid cluster(FALC)で見いだしたナチュラルヘルパー(Natural helper:NH)細胞はLineageマーカー(CD3,CD4,CD8α,CD11c,CD19,TCR6,TCRγδ,B220,NK1.1,Mac-1,Gr-1,FcεR1α)陰性でc-KitおよびSca-1を発現する自然免疫系のリンパ球である。これまでの研究からNH細胞は分化にIL7を必要とし、IL-2刺激によって増殖すること、またIL-2とIL-25の共刺激やIL33の単独刺激により多量のTh2サイトカイン(IL-5、IL-6、IL-13)産生をすることを明らかにしてきた。
IL-25やIL-33は寄生虫感染やアレルギーにおいて、肺や小腸で産生が見られるサイトカインとして知られていることから、肺におけるNH細胞の役割に着目した。その結果、定常時にFALCに存在するNH細胞は気管内にIL-33を投与することで肺に出現し、IL-5を産生することで好酸球浸潤を誘導した。寄生虫Nippostrongulus(N.b.)は、皮下から感染し血行性に肺へと移動し、気管支、食道を経て腸内に寄生する。N.b.は小腸においてIL-13の誘導した杯細胞過形成によって分泌されるムチンにより腸管外へ洗い流されるが、肺を通過する段階で起こる好酸球増多も亙ゑの制御に重要である事が知られる。実際にN.b.感染5日目の肺胞洗浄液にはNH細胞の浸潤が見られ、IL-5を産生することで好酸球を誘導し亙ゑの排除を行うことが明らかになった。
我々はすでに、NH細胞が小腸へと寄生したN.b.に対し、IL-13を産生することで小腸杯細胞過形成を誘導し、ムチンによる排除を行うことを明らかにしており、今回明らかになった肺でのNH細胞の排虫機構とあわせると、NH細胞は肺、小腸の2段階で寄生虫排除を積極的に行う細胞であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Innate Th2-type immune responses and the natural helper cell, a newly identified lymphocyte population2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Koyasu, Kazuyo Moro
    • 雑誌名

      Curr Opin Allergy Clin Immunol.

      巻: 11 ページ: 109-14

    • DOI

      DOI:10.1097/ACI.0b013e3283448808

  • [雑誌論文] Type 2 innate immune responses and the natural helper cell2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Koyasu, Kazuyo Moro
    • 雑誌名

      Immunology

      巻: 132 ページ: 475-81

    • DOI

      DOI:10.1111/j.1365-2567.2011.03413.x

  • [学会発表] IL-25やIL-33によって誘導される肺のナチュラルヘルパー細胞の機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      茂呂和世
    • 学会等名
      第61回日本アレルギー学会秋期学術大会
    • 発表場所
      東京(グランドプリンスホテル新高輪)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-10
  • [学会発表] 肺におけるナチュラルヘルパー細胞の好酸球誘導機構2011

    • 著者名/発表者名
      茂呂和世
    • 学会等名
      第23回高遠・分子細胞生物学シンポジウム
    • 発表場所
      長野(高遠さくらホテル)
    • 年月日
      2011-08-25
  • [学会発表] Nippostrongylus brasiliensis感染におけるナチュラルヘルパー細胞の機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      古賀諭
    • 学会等名
      第80回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      東京(東京慈恵会医科大学)
    • 年月日
      2011-07-18
  • [学会発表] Th2-type innate immune responses and the natural helper cell2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuyo Moro
    • 学会等名
      15th International Congress of Mucosal Immunology
    • 発表場所
      Paris (Universite Paris Descartes)
    • 年月日
      2011-07-06

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公開日: 2013-06-26  

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