研究課題
本研究計画の初年度である22年度は粘膜組織における生体防御と微生物の時空間制御を解析するためのシステムの開発を行った。微生物の動態解析に介しては、化学発光を基盤とした微生物増殖検出システムを用い、肺炎球菌に対する経鼻ワクチン効果を解析する系を確立した。また常在微生物を解析する系にも着手し、遺伝子解析から腸管リンパ組織であるパイエル板の内部に存在する常在細菌として同定したAlcaligenesをwhole mount FISH法にて観察することに成功した。一方、宿主免疫系に関しては、粘膜リンパ組織の上皮細胞層に存在することが示されているM細胞が鼻腔の上皮細胞層にも類似細胞として存在していることを提示し、新たな病原体取り込みとしていることを宿主側のレクチン染色と蛍光標識微生物を用いたイメージング解析にて示した。さらに実体顕微鏡と共焦点レーザー顕微鏡を組み合わせたマクロ共焦点レーザー顕微鏡を駆使し、パイエル板の組織レベルでの3次元観察を可能とするシステムを構築した。これらは少なくとも12時間は同一個体で観察出来ることを確認し、時間軸も加えた4次元システムとして用いることが出来るようになった。これらにより粘膜組織における生体免疫系と微生物の時空間的な解析システムの構築が可能になったと考えられる。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (13件) 図書 (3件)
細胞工学
巻: 30 ページ: 409-412
アレルギー免疫
巻: 18 ページ: 66-77
Cell Host Microbe
巻: 9 ページ: 83-84
J Immunol 186:4253-62,2011
巻: 186 ページ: 4253-62
無菌生物
巻: 40 ページ: 25-28
Proc Natl Acad Sci USA
巻: 107 ページ: 7419-24
Curr Aller Asthma Rep
巻: 10 ページ: 215-21
J Virol
巻: 84 ページ: 12703-12
化学と生物
巻: 48 ページ: 827-830