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2010 年度 実績報告書

テロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスによる骨軟部肉腫に対するウイルス療法

研究課題

研究課題/領域番号 22689040
研究機関新潟大学

研究代表者

川島 寛之  新潟大学, 医歯学系, 助教 (30361900)

キーワード骨肉腫 / ウイルス療法 / アデノウイルス / テロメラーゼ
研究概要

骨軟部腫瘍のうち、特に10歳代の若年者に好発する骨肉腫を対象として、テロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスによるウイルス療法の可能性について検討した。ヒト骨肉腫細胞株8株とヒト正常線維芽細胞株を用いて、アデノウイルスレセプターやテロメラーゼの発現を定量的RT-PCR法やウェスタンブロット法により解析した。さらに、各細胞株にアデノウイルスを感染させ、殺細胞効果を検討した。結果は、多くの骨肉腫細胞においてレセプターとテロメラーゼの発現が高く、アデノウイルスの感染により細胞内で増殖が起こり、殺細胞効果が確認されたが、一方で正常線維芽細胞においては、レセプターとテロメラーゼの両者の発現が極めて低く、アデノウイルスの感染後も増殖がなく、殺細胞効果もないことが分かった。さらに、動物実験においては、マウスの背部皮下に骨肉腫細胞株を移植して作成した、マウス骨肉腫モデルに対して、テロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスを局所投与し、治療効果を検討した。治療を行わない対照群では、骨肉腫は急速に増大したのに対して、アデノウイルス投与群では、著明な増殖抑制効果を認め、一部のマウスにおいては腫瘍の消失が確認された。以上より、in vitro,in vivoの両実験系において、テロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスは、骨肉腫に対して特異的に感染、増殖を起こし、強い抗腫瘍効果を示すことが確認でき、ウイルス療法が臨床的にも有効である可能性を示唆するものであると考えられた。今後は、他の肉腫に対する作用と、殺細胞効果発現のメカニズムについて検証を続けていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Efficient virotherapy for osteosarcoma by telomerase-specific oncolytic adenovirus.

    • 著者名/発表者名
      Guidong Li, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Cancer Research and Clinical Oncology

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト軟部肉腫におけるテロメラーゼ特異的制限増殖型ウイルス、テロメライシン(OBP-301)の抗腫瘍効果2010

    • 著者名/発表者名
      李貴東, ほか
    • 学会等名
      第25回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2010-10-14
  • [学会発表] ヒト骨肉腫細胞株およびマウス移植モデルにおけるテロメラーゼ特異的制限増殖型ウイルスの抗腫瘍効果2010

    • 著者名/発表者名
      李貴東, ほか
    • 学会等名
      第43回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都)
    • 年月日
      2010-07-15

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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