研究課題
本研究の目的は、小児右心系補助循環装置として微細径の形状記憶合金線維(バイオメタル)と現在開発中のナノセンサ・マイクロ制御装置とを駆使して、必要な血液循環を力学的にサポートする超小型の埋込型小児用マイクロ人工心筋を開発することである。これは、心室壁もしくは下大静脈-肺静脈を接続する心外導管の外部に装着され、生体の血液循環系にとって、”必要なときに必要なだけ”血液ポンプとして血液拍出を補助するもので、心臓の外面に設置されるため血栓の形成等の心配もない。これまで、血行力学的に複雑な先天性心疾患の有効な血行動態補助を実現するため、(a)心外導管を外部から蠕動的に周期的に収縮させて肺循環をサポートする微小形状記憶合金アクチュエータの開発、(B)右心室ポーチを心室壁面上で収縮拡張させる超小型循環補助デバイス開発の2点に焦点を絞って研究開発を行った。本年度までに得られた、独自に開発したFontan循環試験装置において、開発した心外導管の収縮拡張比と心外導管への加圧収縮力の検討成果に基づき、(a)心外導管の主流方向への連続的な壁面収縮を可変制御コントローラを試作、(b)Fontan循環時の壁面収縮支援速度による順方向流れ加速評価、(c)肥大した心臓壁の曲面形状に沿った人工心筋サポートによる周方向収縮効率増大のための心室測地線解析による装着形状の検討を行った。併せて、バイオメタルのマイクロロボティクス制御手法を応用して人工心筋デイバス表面温度制御による収縮速度調節系の機能評価を行った。それらの成果に基づき、心室収縮機能の自然収縮の帰納的拡張障害なく、形状記憶合金の収縮時蓄熱放熱による血流と組織障害を考慮した駆動制御閾値の設定が可能となり、選択的に有効な血行支援を可能とする力学的制御方法と形態設計の基礎的設計方法論が構築できた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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