研究課題
様々な因子の関与が報告されてきた歯胚発生であるが,エナメル質・象牙質・セメント質のような歯の硬組織ばかりでなく歯髄・歯根膜といった軟組織においても組織分化や形態形成メカニズムの大部分は未だ解明されていない。マウスモデルおよびイヌモデルにおいて、摘出した歯胚を用いて異所的移植を行ったところ、発生した歯においては、通常二根で発生するはずの歯が単根を示した。これは、発生過程にある歯根の分岐は歯牙ではなく,顎骨側に制御因子がある可能性を明らかとした。また、ボランティアから採取したヒト幼若歯胚組織を用いて歯牙形成が可能であるかを明らかとするため、歯冠形成期のヒト歯胚上皮組織と歯胚間葉組織を再構築して免疫不全動物へ移植を行った。移植後4ヶ月において、ヒト歯胚上皮組織と歯胚間葉組織の再構築体からはエナメル質と象牙質が層状に組織形成されていることが認められた。さらに、ヒト歯胚間葉組織と歯小嚢組織を再構築して移植したところ、象牙質表層からセメント質や歯根膜といった歯根の組織構造が形成された。以上より、生体外におけるヒト歯胚構造の適切な再構築を行うことにより、歯胚発生のメカニズムが維持されるばかりでなく、その後の歯組織分化が再現されることが実証された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 その他
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