本研究の目的は成人を対象に機能的磁気共鳴画像装置を用いて甘味による一時的な痛覚抑制効果を解明することであった。機能的磁気共鳴画像装置は空間分析能に優れているが、実験では脳画像データに加えて情動反応や主観的指標等の指標も併用して行なった。平成24年度は採択課題の最終年度であり、昨年度に引き続いて実験を継続実施した。研究は実験的疼痛を用いてブロックデザインで実施した。その上で、研究のデータ収集及び解析については予定通り終了し、痛覚潜時等の指標も含めて有用性を示唆するデータが得られた。そのため、現在は学会誌への投稿に向けて原稿を執筆中である。今後は速やかに投稿し、受理にこぎつけることができるように努力していく。また、機能的磁気共鳴画像装置を用いた実験と並行して取り組んでいた関連研究についても引き続き行った。甘味強度が異なる甘味物質を用いて痛覚受容への影響について検証した研究では、健康成人では甘味強度に比例して必ずしも痛覚潜時が影響を受けるわけではないことが明らかになった。これについては、国内の学術集会で研究結果を発表した。また、若年成人女性における月経周期別の痛覚感受性についての研究は、同じ熱痛刺激であっても月経周期別に痛覚感受性に変化が生じ、卵胞期の方が黄体期よりも痛覚閾値が高いという結果が得られた。このほか、研究目的を達成するために行った予備実験データについても同様に解析を行った上で今後発表していく。
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