本研究は、2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラムの開発をし、介入研究により、その有効性を検証することを目的としている。 昨年度までに、介入効果を評価する指標として「2型糖尿病患者の運動療法とらえ方分類ツール」を作成し、今年度は、外来糖尿病患者を対象とした、運動療法看護教育プログラムの具体的介入方法を検討し、プログラムを作成した。結果、副のアウトカム指標として、運動療法の実施状況、糖尿病コントロール【血糖コントロール、糖尿病負担感、運動療法自己効力感】、筋力、その他臨床指標【血清脂質、腎機能、動脈硬化指標、体組成】を用いることとし、同時に、質的研究結果「運動療法を継続する仕組み」(山﨑&稲垣,2010)のカテゴリーを基に、運動療法のとらえ方にアプローチするための具体的介入方法を検討し、方向性を定めた。①知識(運動療法の慢性効果を強調した知識教育) ②実践(自宅での運動と安全を視野に入れた運動療法体験) ③効果の実感(急性効果の体験と実感) ④運動療法への割り切り(運動療法が必要であることの割り切り) ⑤運動療法は運動ではないというとらえ方(運動療法はあくまでも糖尿病のコントロールのためであることの強調)の5つのポイントからなる介入を、1日糖尿病教室として総合的な生活習慣教育の中に盛り込む形のプログラムとした。加えて、3か月後と6か月後には、「療養生活の振り返り」を通した「効果の実感」と「割り切り」が進むよう、療養相談(療養体験を聞く介入)を実施する内容となった。 本研究では、実際にプログラムを実施し、運動療法のとらえ方への介入効果を評価する予定であったが、初期のプログラム内容までにとどまり、介入・修正には至らなかった。今後は、実際にプログラムを実施し、運動療法のとらえ方にアプローチできる方法をさぐりながら修正し、プログラムを完成させていきたい。
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