研究概要 |
本年度は,高性能並列メタ戦略アルゴリズムの開発へ向けて,複数の組合せ最適化問題に対する効率的なアルゴリズムの開発とその評価を行った.以下,実施した研究について簡単に説明する. グラフ・ネットワーク関連の研究として,1.センサーネットワークを応用とするルーティング問題に対して,ドロネー図を活用したアルゴリズムの提案,2.配送計画問題に関する調査研究,を行い,それぞれ論文にまとめた. 切り出し・詰め込み問題に対する研究として,1.長方形の配置可能場所の効率的列挙に関する研究,2.平面走査法と前項の研究の併用による,三次元配置問題に対する効率的なアルゴリズムの開発,を行い提案手法は解析的に,また数値実験に基づく評価を行った. さらに,ある在庫管理問題に対し,分枝限定法を基本とするアルゴリズムの提案を行った.通常,分枝限定法は厳密解法であり,効率的とはいえ計算量は大きい.本研究では,解の厳密性を犠牲にした,分枝限定法を用いたアルゴリズムの提案を行い,アルゴリズムの高速化と解の精度の間のトレードオフについて調査した. 以上が代表的な実績であるが,関連する研究として, ・スポーツスケジューリング問題に対する近似アルゴリズムの提案 ・幾何的な点彩色問題に対する,理論的な上界/下界の導出 なども行い,それぞれ国際会議において発表した.
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