研究課題
本年度は、研究計画で掲げた4テーマのうち、主に、「分散データ構造の動的変化耐性の解明」「自己安定個体群プロトコルモデルの計算能力解析」「自律分散ロボット群制御に対する分散アルゴリズム」の3課題を中心に研究を遂行した。具体的な研究成果を以下挙げていく。1.動的変化に対して適応的な分散データ構造の頑健化手法:分散データ構造の設計において、一部計算の故障に対して耐性を持つようにアルゴリズムをデザインすることは実用上重要である。本研究では、エキスパンダーグラフを用いた分散型木構造のロバスト化を実現する手法を提案した。提案した手法はシステムの動的変化に対して効率的に追従することが可能である。2.個体群プロトコルモデルにおけるリーダ選挙問題および計数問題の可解性について(下記論文(1)):リーダ選挙問題、計数問題は分散アルゴリズム分野における重要な基本問題である。本研究では、個体群プロトコルにおける同問題の可解性とメモリ複雑度の関係について結果を得た。3.自律分散ロボット群に対する分散アルゴリズム(下記論文(2),(3)):主に一転集合問題、拡散問題等について成果を得た。また、悪意を持ったロボット(ビザンチン故障ロボット)が混在する環境における問題の可解性について研究を行った。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)
Theoretical Computer Science
巻: Vol. 412, No. 33 ページ: 4350-4360
DOI:10.1016/j.tcs.2010.11.011
Theory of Computing Systems
巻: (未出版(採録決定))
Lecture Notes in Computer Science (14th International Conference on Principle of Distributed Systems (OPODIS))
巻: 6430 ページ: 504-515
Lecture Notes in Computer Science (The 12th International Symposium on Stabilization, Safety, and Security of Distributed Systems (SSS))
巻: 6366 ページ: 319-331