研究概要 |
平成22年度は,分散ストレージ管理システムの各種コンポーネントの設計・実装をおこなった.提案システムは,大きく分けて,(1)ATAマネージャ,(2)NICマネージャ,(3)ストレージマネージャ,(4)ストレージサーバ,の4つのコンポーネントから構成される.平成22年度は,ATAマネージャのネットワークモードとNICマネージャを先行して実装をおこない,ストレージサーバは既存のATA over Ethernetの技術を利用した.これにより,ATAデバイスへのネットワーク越しでのアクセス機能を実現した.また,ストレージマネージャとストレージサーバの設計もおこなった.ストレージマネージャは,ストレージアクセス全体を管理するコンポーネントである.ストレージマネージャの役割は大きく分けると,(1)ゲストOSからのディスクアクセスをストレージサーバに転送するストレージクライアント機能と,(2)ローカルのハードディスクの内容をゲストOSに代わって管理するディスク管理機能がある.ストレージクライアント機能は,ゲストOSのATAドライバからのI/Oアクセスをサーバに対するアクセスへと変換するコンポーネントである.これらのI/O要求をカプセル化してネットワークに転送することにより,サーバに対してセクタデータを読み書きできるようになった.その結果として,Windowsを含む任意のOSのネットワークブートが実現できることを確認した.
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