研究概要 |
企業や大学など多数のデスクトップ・コンピュータを用いる環境では,セキュリティの向上や管理コスト削減のためにコンピュータを集中管理したいという要望が強い.しかし従来方式では,サーバ側に高価なマシンが必要であったり,OSの機能に依存して維持管理が難しくなってしまう.本研究では,仮想化技術による分散ストレージ管理基盤を実現する.申請者らが提案している準パススルー型という独自アーキテクチャの仮想マシンモニタ『BitVisor』を応用することで,ストレージをサーバで集中管理しつつ,クライアント・コンピュータの資源を活用して高価なサーバを不要にし,かつ任意のOSを無改変で稼働可能にして維持管理を容易に行えるようにする. 平成24年度は,Windows及びLinuxを用いて実際にOSを改変することなくネットワークブートが実現できることを確認した.また,ベンチマークを用いた性能評価を行い,Xenなど既存の仮想マシンモニタと比べても,オーバーヘッドが大幅に抑えられていることを確認した.また,クライアント・コンピュータのUSBや光学ドライブ,グラフィックス機能などが通常のローカルブートと同様に使用可能であることも確認した.これにより,当初の最初の目的はおおむね達成できていることが確認された.また,バックグラウンドでのインクリメンタルなインストールに関しても実装をおこない,当初目的通りの機能が実現できることを確認した.
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