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2011 年度 実績報告書

機器組込み言語VMのメモリ管理

研究課題

研究課題/領域番号 22700026
研究機関電気通信大学

研究代表者

鵜川 始陽  電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (50423017)

キーワードごみ集め / マルチコア / 組込みシステム / Java / JNI / コンパクション / 実時間システム
研究概要

平成23年度は主に以下の研究を行った.
1並行実時間ごみ集めの研究
マルチコアを有効に利用するためには,ごみ集めを行う独立したスレッドを用意し,アプリケーションプログラムのスレッド(以下,アプリケーションスレッドと呼ぶ)の実行と並行してごみ集めを行う「並行ごみ集め」が有効である.並行ごみ集めでは,アプリケーションスレッドとごみ集めのスレッドの同期が必要になるが,この同期のコストをいかに軽減するかが課題となっている.既存の並行ごみ集めでは,細粒度な同期が必要な処理はアプリケーションスレッドを止めて実行することで同期のコストを抑えていた.そのため,実時間処理を行うアプリケーションには向かないものであった.本研究ではアプリケーションスレッドを止める必要のない,実時間ごみ集めアルゴリズムを改良して,実時間処理を行うアプリケーションに対応した並行ごみ集めを開発した.
2ごみ集めが使用するデータ構造を削減する研究
項目1の研究で用いたアルゴリズムは,アプリケーションプログラムが使っているデータ構造のポインタを実際にたどるため,非常に大きなワークリスト(まだたどっていないポインタを記録するデータ構造)が必要になる場合がある.本研究では,これを避けるために,小さなワークリストとワークリストから溢れたポインタが指す先のデータのおおまかなメモリアドレスを記録するデータ構造を使う手法を開発した.
3部分コンパクションの研究
コンパクションを行う領域を選ぶアルゴリズムを改良した.
4C++によるJava拡張プログラム中のバグを探す研究
Javaを拡張するC++プログラムは,ごみ集めに対応するための規則に従う必要がある.この規則に違反している箇所を探すプログラムを開発した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度以降に予定していた3項目の一つである,ネイティブスレッドとマルチコア対応について一定の成果を得た.また,消費電力の削減の項目にも取りかかっている.

今後の研究の推進方策

予定していた,ネイティブコードへのコンパイルを行う高性能な処理系に,開発したごみ集めアルゴリズムを実装し,性能評価を行う.
消費電力の削減については,23年度に行った予備実験では,ごみ集めアルゴリズムによる消費電力の差は小さいという結果であった.24年度は実験に用いる機器を変更し,機器によらずに同じ結果となるかを確認する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Improvements of Recovery from Marking Stack Overflow in Mark Sweep Garbage2012

    • 著者名/発表者名
      Tomoharu Ugawa
    • 雑誌名

      IPSJ Transactions on Programming

      巻: Vol.5 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書込みバリアにロックやメモリバリア命令を用いない並行スナップショットごみ集め

    • 著者名/発表者名
      鵜川始陽
    • 雑誌名

      コンピュータソフトウェア

      巻: (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 部分コンパクションの実行頻度とEvacuation Area選択法の改良2012

    • 著者名/発表者名
      加藤瞬
    • 学会等名
      第14回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ
    • 発表場所
      和歌山県西牟婁郡白浜町(ポスターセッション)
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] JNIコーディングの規則違反を検出するための支援ツールSEANの開発2012

    • 著者名/発表者名
      西脇春名
    • 学会等名
      第87回情報処理学会・プログラミング研究会
    • 発表場所
      沖縄県久米島町イーフ情報プラザ交流ホール
    • 年月日
      2012-01-23
  • [学会発表] Dalvik VMにおけるインクリメンタルコンパクションの実装と評価2011

    • 著者名/発表者名
      海野弘成
    • 学会等名
      日本ソフトウェア科学会第28回大会
    • 発表場所
      沖縄県那覇市沖縄産業支援センター
    • 年月日
      2011-09-29

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公開日: 2013-06-26  

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