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2010 年度 実績報告書

仮想マシンを用いたクラウドにおける管理者からの情報漏洩の防止

研究課題

研究課題/領域番号 22700036
研究機関九州工業大学

研究代表者

光来 健一  九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60372463)

キーワード仮想マシン / クラウド / 情報漏洩 / アクセス制限 / 暗号化
研究概要

今年度は、クラウドの管理者がログインする特権を持った仮想マシン(特権VM)を経由した情報漏洩を防げるようにした。まず、クラウドの利用者が使うVM(ユーザVM)のメモリからの情報漏洩の防止に取り組んだ。特権VMに暗号化されたユーザVMのメモリを見せられるようにするために、VMを実現しているハイパーバイザの中に暗号化・復号化の処理を追加した。具体的には、特権VMがユーザVMのメモリにアクセスしようとした際にはハイパーバイザが自動的にメモリ内容の暗号化を行う。アクセスを終了すると復号化を行うため、ユーザVMは暗号化されていないメモリにアクセスすることができる。
我々の調査の結果、特権VMはユーザVMの起動やサスペンド・レジュームのためにユーザVMのメモリの一部を参照したり、書き換えたりする必要があることが分かった。そこで、ハイパーバイザがこのようなメモリ領域を認識できるようにし、当該メモリ領域についてはユーザVMのメモリ暗号化を行わないようにした。これにより、特権VMへの情報漏洩を防ぎつつ、従来通りにユーザVMを起動したり、サスペンド・レジュームしたりすることが可能になった。
また、特権VMがユーザVMのメモリを参照するというアプローチに加えて、ハイパーバイザ自身が参照するという別のアプローチについても実装を行った。ハイパーバイザがユーザVMのサスペンドを行うことで、特権VMへの情報漏洩を防ぐことができた。また、ユーザVMのスケジューリングの変更や通信の監視についても、ハイパーバイザ内で行うようにすることで情報漏洩の危険性をなくすことができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 実用性を考慮した仮想マシン間プロセススケジューラ2011

    • 著者名/発表者名
      田所, 光来, 千葉
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム

      巻: (未定 掲載決定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fast Software Rejuvenation of Virtual Machine Monitors2010

    • 著者名/発表者名
      K.Kourai, S.Chiba
    • 雑誌名

      IEEE Trans.Dependable and Secure Computing

    • 査読あり
  • [学会発表] 踏み台攻撃だけを抑制できるVMMレベル・パケットフィルタリング2011

    • 著者名/発表者名
      安積, 光来, 千葉
    • 学会等名
      第116回OS研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2011-01-24
  • [学会発表] A Secure System-wide Process Scheduler across Virtual Machines2010

    • 著者名/発表者名
      H.Tadokoro, K.Kourai, S.Chiba
    • 学会等名
      IEEE PRDC'10
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2010-12-14
  • [学会発表] VMのメモリ暗号化によるクラウド管理者への情報漏洩の防止2010

    • 著者名/発表者名
      田所, 内田, 光来, 千葉
    • 学会等名
      ComSys2010併設ワークショップ
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-12-01

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公開日: 2012-07-19  

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