• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

仮想マシンを用いたクラウドにおける管理者からの情報漏洩の防止

研究課題

研究課題/領域番号 22700036
研究機関九州工業大学

研究代表者

光来 健一  九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60372463)

キーワード仮想マシン / クラウド / 情報漏洩 / アクセス制限 / 暗号化
研究概要

本年度はクラウドにおいて管理者が使用する特権VM経由での情報漏洩を防ぎつつ、ユーザVMのマイグレーションを行えるようにした。昨年度までに開発したユーザVMのサスペンド・レジューム時のメモリの暗号化・復号化手法を組み合わせることで、マイグレーションを行う際にもメモリからの情報漏洩を防ぐことができるようになった。マイグレーションの場合には暗号鍵をホスト間で受け渡す必要があるため、暗号鍵を安全に管理する方式を考案し、実装を行った。
さらに、ユーザVMを停止させずにマイグレーションを行うライブマイグレーションにも対応できるようにした。まず、ユーザVMと特権VMが同時にメモリにアクセスできるようにするために、ユーザVMのメモリを複製してから暗号化するようにした。これにより、特権VMには暗号化されたメモリにアクセスさせつつ、ユーザVMは暗号化されていないメモリにアクセスすることができる。次に、ページテーブルなどの暗号化しないメモリ領域の情報をユーザVMのメモリに埋め込んでマイグレーション先に通知できるようにした。これらの工夫によりライブマイグレーションを実現し、ダウンタイムを1秒以内に抑えることができた。
また、本年度はクラウドのリモート管理を行う際に、ユーザVMへのキーボード入力の漏洩を防げるようにした。VNCクライアントでキーボード入力を暗号化し、特権VMで動作するVNCサーバを経由して、ハイパーバイザで復号化を行うシステムを構築した。従来のハイパーバイザはキーボード入力を認識できなかったため、ユーザVMと特権VMの通信を監視することにより、VNCサーバからユーザVMに渡されるキーボード入力をハイパーバイザが横取りできるようにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標としていたライブマイグレーションへの対応、および、キーボード入力の漏洩への対処が行えたため。

今後の研究の推進方策

クラウドのリモート管理を行う際に画面からの情報漏洩も防げるようにする。また、これまではユーザVMで仮想化専用OSを動作させる準仮想化を対象に実装を行ってきたが、既存のOSを動作させられる完全仮想化にも対応できるようにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 実用性を考慮した仮想マシン間プロセススケジューラ2011

    • 著者名/発表者名
      田所秀和
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌:ACS

      巻: 4 ページ: 100-114

    • 査読あり
  • [学会発表] IaaSにおける管理VMへの画面情報漏洩の防止2012

    • 著者名/発表者名
      西村直樹
    • 学会等名
      情報処理学会第120回OS研究会
    • 発表場所
      七島信用組合八丈島支店
    • 年月日
      2012-02-29
  • [学会発表] VMとセキュリティとアーキテクチャ2012

    • 著者名/発表者名
      光来健一
    • 学会等名
      情報処理学会第120回OS研究会
    • 発表場所
      七鳥信用組合八丈島支店(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-28
  • [学会発表] 管理VMへのキーボード入力情報漏洩の防止2011

    • 著者名/発表者名
      江川友寿
    • 学会等名
      情報処理学会第U8回OS研究会
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      2011-07-27
  • [学会発表] IaaS環境におけるVMのメモリ暗号化による情報漏洩の防止2011

    • 著者名/発表者名
      田所秀和
    • 学会等名
      情報処理学会第117回OS研究会
    • 発表場所
      沖縄県立博物館
    • 年月日
      2011-04-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi