研究課題
テストカバレッジとはプログラムソースコードの全体に対するテストされた割合であり、テスト十分性の判断材料として様々なレベルで自動測定すべきである。さらに、プログラミング言語の更新や多様化、複数言語の併用開発の進展に伴い、多数の言語やレベルを統一的に扱えて、かつ、必要に応じ拡張可能な測定ツールが必要である。しかし既存のツール群は単一言語を扱い、また、拡張性に乏しい。そこで本研究では、多数の言語間の共通性と相違を分析し、共通部分を再利用可能かつ各言語特化部分の実装や測定レベル拡張を効率的に達成可能なテストカバレッジ測定フレームワークを実現することを目標とする。平成22年度は、テストカバレッジ測定フレームワーク(測定FW)の基礎部分の確立に向けて、(1)言語モデルの識別、(2)カバレッジ測定コード埋め込みと測定結果表示方法の確立、(3)拡張性向上に向けた設計パターン検出のそれぞれについて取り組み、成果を論文等の形でまとめて発表した。具体的には(1)多数の代表的言語群を対象として広範かつ精密な共通性・可変性の分析により、測定FWが扱い可能な言語範囲を特定し、可変性を組み入れた言語モデルを導出した。(2)識別した言語モデルを活用して、テストカバレッジを測定するためのコードを測定対象に埋め込むための基本的な仕組み、および、測定結果を表示するための基本的な仕組みを確立した。(3)フレームワーク全体や各部分の拡張性向上等に不可欠な各種のパターンの適用状況調査と追加適用に向けて、既知のパターンをモデリングならびに高精度に検出・適用する仕組みを確立した。
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コンピュータソフトウェア
巻: Vol.27, No.2 ページ: 136-141