本年度は、複数のIPコアから構成されるSoCシステムにおいて、通信アーキテクチャ合成を実現する上で必要な「通信」の概念を議論し、送出元となるIPコアは固定長ブリットを送出する要求を一定の頻度でランダムに発する通信モデルを構築した。さらに、構築した通信モデルの下で、特定用途向けSoCシステムの通信アーキテクチャを合成する方法論を構築した。本研究成果により、最大の通信頻度を仮定することで、通信アーキテクチャを自動合成することが可能となった。提案する通信アーキテクチャ合成手法は一つのIPコアを複数のバスに接続することを許容する。一つのIPコアに対して複数のバス接続を許容することで、バスの調停回数及び応答時間を削減でき、通信におけるレイテンシ及びスループットを向上できる。通信アーキテクチャ合成問題を解くアルゴリズムとして、焼き鈍し法を採用し、プログラムを実装した。IPコアを複数のバスに接続する効果により最大11%程度の実行サイクル数を削減できることを計算機実験により確認した。
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