研究課題/領域番号 |
22700053
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中田 尚 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (00452524)
|
キーワード | 計算機システム / 省エネルギー / 超高速情報処理 / ハイパフォーマンスコンピューティング |
研究概要 |
本研究の目的は次世代超低電力メニィコアにおいて最大の課題となるデータ供給スループットの制約を解消するための、プログラム自動マッピング手法および最適なハードウェア構成の自動判定手法の提案である。23年度はこれまでの研究を発展させ、ハードウェア規模を超える命令列を実行するための時分割実行機構および対故障機能を導入した場合の性能及びハードウェアコストの検討を行った。また、引き続き自動マッピング手法の検討を行った。 【1】線形アレイ型プロセッサの正確な性能予測:本計画については初年度に作成した高精度シミュレータを拡張し、時分割実行および対故障機能を搭載した場合の正確な性能予測に対応した。これにより、より多くのプログラムに対して、適切なハードウェア構成を提案できるようになる。 【2】既存プログラムの自動マッピング手法の提案:本計画についてはプログラム中のデータ入出力の解析手法について検討をおこなった。現在までにいくつかの典型的なプログラムに対して自動で変換が出来るとの見通しを得た。これにより、専門的な知識が無くとも対象プロセッサを利用することにどのような入出力が発生するのかを解析することが出来る。今後は引き続き解析方式を改良し、より多くのプログラムに対応していく予定であるとともに、これまでの解析手法を統合することにより、より高度な変換方式を検討する。また、自動変換が困難な例も具体的に判明した。このようなプログラムは自動変換ではなくユーザにどういった点が障害になっているのかを適切に提示することが重要である。 【3】最適なハードウェア構成の検討:【1】で検討を行った時分割実行方式および耐故障機能を搭載した場合の構成およびそのハードウェアコストの解析を行った。これらの成果を統合することにより、より多くの構成候補から最適解を求めることが可能となる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画を実現するには、探索範囲を十分大きくするために、できるだけ多くの構成について調査・検討を行うことが重要である。・現時点で、時分割実行および対故障機能の拡張を行い、様々な要求に応えるための準備が整ってきている。今後はこれらの結果に基づき、できるかぎり多くのプログラムに対して最適な構成を検討を進めることができる。
|
今後の研究の推進方策 |
構成の検討が順調に進んでいることから、最終目標である最適なハードウェア構成の提案手法について重点的に検討を進めることが重要である。
|