• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

低消費電力を指向した動的なハードウェア再構成フレームワークの確立

研究課題

研究課題/領域番号 22700056
研究機関長崎大学

研究代表者

柴田 裕一郎  長崎大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10336183)

キーワード動的再構成 / リコンフィギャラブルシステム / FPGA
研究概要

1動的再構成ハードウェアの実験システムを拡充し,再構成に必要な電力を見積もりだけではなく実際に測定する実験環境の構成を検討し構築した.妥当性を検証するために,いくつかのアプリケーションについて,異なる方式の回路を動作させその電力差を測定した.この結果,アプリケーション動作への悪影響なしに,妥当な測定が可能であることを確認した.
2評価用アプリケーションを幅広く蓄積する観点から,既に取り組んでいる画像パターン処理や有限体演算に加えて,浮動小数点演算を用いるアプリケーションについても実装を検討した,実対象三重対角行列の固有値算出アルゴリズムでは,二分法をベースとした手法を実装することで,GPUに比べて11.6倍ほど電力効率を改善できる見通しを得た.また,連立方程式ソルバの実装も行い,3W程度の消費電力で画像への楕円当てはめ処理を1秒間に1億回程度実行できることを示した.
3動的再構成の効率を向上させるためには,再構成時の共通データパスをなるべく大きくすることが必要である.そこで,複数のデータパスを類似度に基づいて分類し,同じクラスタに分類されたデータバスについて共通部分を共有化する手法について研究を進めた,特にk-means法における類似度判断パラメータの種類や組合せについて検討し,既存の手法に比べて処理時間を2時間あまり短縮したうえ,生成されるデータパスの最大動作周波数も31%ほど改善できることを示した.
4動的再構成の適用範囲や適用形態をより拡大する観点から,新しいFPGAの動的部分再構成手法の構築にも取り組んだ.FPGAのチップ上の特定のルックアップテーブルのみを選択的に再構成する手法を新たに開発し,実際の実験システムの上で正しく動作することを検証した.この結果,FPGAの外部機能を全く使うことなく,1マイクロ秒程度で動的部分再構成が行えることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

動的再構成の電力効果を測定する為の実験環境の構築と検証,評価用アプリケーションの蓄積,動的再構成を有効化するため設計手法の開発とも順調に成果をあげている.さらに,新たに超細粒度の動的部分再構成手法の開発にも成功し,当初計画に比べてより幅の広い実験が可能となっている.

今後の研究の推進方策

平成24年度が本研究課題の最終年度となるため,これまでに整備してきた実験環境,評価用アプリケーション,動的再構成用設計手法を組み合わせて様々な評価実験を行い,低消費電力の観点から,望ましい動的再構成の空間的・時間的粒度について明らかにしてゆく.また,今後の再構成可能アーキテクチャが備えるべき特性などを整理し,今後の研究課題についても考察する.これらの研究を通じて得られた成果については,積極的に学会等で発表していく予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Pattern Compression of FAST Corner Detection for Efficient Hardware Implementation2011

    • 著者名/発表者名
      K.Dohi, Y.Yorita, Y.Shibata, K.Oguri
    • 雑誌名

      Proc.International Conference on Field Programmable Logic and Applications

      ページ: 478-481

    • DOI

      10.1109/FPL.2011.94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deep pipelined one-chip FPGA implementation of a real-time image-based human detection algorithm2011

    • 著者名/発表者名
      K.Negi, K.Dohi, Y.Shibata, K.Oguri
    • 雑誌名

      Proc.International Conference on Field-Programmable Technology

      ページ: 1-8

    • DOI

      10.1109/FPT.2011.6132679

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A discussion on calculating eigenvalues of real symmetric tridiagonal matrices on a GPU2011

    • 著者名/発表者名
      K.Matsunobu, K.Dohi, Y.Shibata, K.Oguri
    • 雑誌名

      ACM SIGARCH Computer Architecture News

      巻: 39(4) ページ: 100-101

    • DOI

      10.1145/2082156.2082184

    • 査読あり
  • [学会発表] FPGAを用いたアクセラレーションシステムにおけるデータパス分類用優良類似度の考察2011

    • 著者名/発表者名
      小川ゆい
    • 学会等名
      電子情報通信学会リコンフィギャラブルシステム研究会
    • 発表場所
      ニューウェルシティ宮崎(宮崎市)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-29
  • [学会発表] FAST Corner Detectionの検出パターンの圧縮とFPGAへの実装2011

    • 著者名/発表者名
      土肥慶亮
    • 学会等名
      電子情報通信学会リコンフィギャラブルシステム研究会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi