研究課題
本研究では,産業機器等の制御システムを無線ネットワークで構成する無線ネットワーク化制御システムにおいて,システムを安定に動作させるための高信頼無線転送技術について提案し,その性能面からの有効性を明らかにすることを目的としている.提案する方式は,ネットワークトモグラフィによる無線リンクの通信品質測定とネットワークコーディングによる消失訂正符号を組み合わせた手法である.本年度の研究では,これまでに検討してきたネットワークトモグラフィによる通信品質推定手法を効率的に利用するための経路制御方式を提案した.本方式は,推定した通信品質を基に,送受信端末間に複数の経路を設定し,消失訂正符号を併用することにより高信頼な通信を実現する方式である.無線伝搬路の通信品質は空間相関が強いため,単に複数の経路を設定するだけでは消失訂正符号の効果を十分に発揮できない.そこで,中継端末間の隣接関係を利用してエリア内に広がったメッシュネットワークを構築し,そのメッシュネットワーク上で複数経路を構築する方法を検討した.また,設定可能な経路の中から一部の経路を選択する手法として,エンドーエンド間の通信品質を最大にするための経路選択手法についても検討した.これらの手法を計算機上に実装し,シミュレーション実験によりその有効性を確認した.性能評価の結果,空間相関の強い無線伝搬路上で提案方式が有効に動作し,エンド-エンドの通信品質が著しく改善されていることを明らかにした.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE Transactions on Communications
巻: E96-B ページ: 470-478
10.1587/transcom.E96.B.470
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics
巻: vol. E95-A, no. 4 ページ: 713-722