研究課題
ユーザのクエリに応えてセンサデータを返す場合にまず着目すべき点はリアルタイム性とデータ処理のスケーラビリティである。センサデータは一般的に時間経過によって価値が急速に低下する傾向を持つため、イベント駆動型のデータ配信機構を用意しリアルタイム性を確保する方針を採用した。一方でデータ配信時にユーザのクエリの偏りに寄ってデータ処理部分に負荷集中が生じ、システムが機能しなくなる可能性がある。この問題点を解決するためにユーザからのクエリの内容をセンサ群の指定、データのフィルタリング、データの加工処理を中心とした3つのパートで定義した。これらのパートを独立して定義できるデータフォーマットを採用したためにデータ処理過程を動的に分割し、複数のノードで分割し処理を実行可能となった。そのため負荷集中時の負荷分散が実現できスケーラビリティを確保することができた。データフォーマットには他にもセンサタイプや位置情報、機器の型番等基本的なプロファイル情報を含めることが可能となっており、色々なパターンの検索要求に応えることができる。本研究で設計したシステムのプロトタイプ実装を行い、分割時におけるパフォーマンス評価を行った。その結果、データ処理部分を分割することでその数と線形にパフォーマンスが向上することを確認し、定量的にスケーラビリティを持つことを示す事ができた。これらの成果は国際会議を中心に発表を行っている。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
日本ロボット学会誌
巻: Vol.28, No.3 ページ: 40-43
情報処理学会 論文誌
巻: Vol.51 No.4 ページ: 1142-1151