研究課題/領域番号 |
22700074
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
亀井 清華 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90434977)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 分散アルゴリズム / 耐故障性 / 自己安定 / 近似アルゴリズム / 分散近似アルゴリズム / 安全収束性 / 動的ネットワーク / 無線ネットワーク |
研究概要 |
本年度は最大葉全域木問題に対する安全収束性を持たせた自己安定アルゴリズムの設計を目標とし、昨年度の成果であり、関連する問題である最小連結支配集合問題に対するアルゴリズムの改良を行ったが、現在も継続中である。最小連結支配集合問題についてのアルゴリズムで仮定していたシステムモデルは、実際のネットワークを考えると実現の難しいものであったので、より現実に近いモデルを考えたアルゴリズムを設計することにより、安全収束性を実現するために必要な点を整理しようとしている。また、記憶媒体を持たないロボットの集合問題に対して、対称な初期配置からでも集合できるアルゴリズムの提案を行った。ロボット同士は自身のカメラで他のロボットの配置を確認し、移動を行い、通常のような通信は行わない。これは各計算機の機能を極限まで絞り込んだ時にどこまでの事ができるのかという興味に基づいている。一般に無線センサーネットワークのセンサーノードの機能は限られているので、このテーマも無関係ではないと考えている。本年度の成果としては、奇数ノードがリング状に配置されたネットワークにおいて、偶数台のロボットが一つのノードに集合するアルゴリズムが得られ、リング状の集合問題の解決していないケースとしては偶数ノード偶数ロボットの場合を残すのみとなった。さらに、動的なネットワークにおけるモバイルエージェントのランデブーについてもアルゴリズムの設計を行った。動的なネットワークをモデル化するのにEvolving graphを用い、確率的に変化するネットワークにおける理論的な解析を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
安全収束性を持たせた自己安定アルゴリズムは、これまで完全同期を仮定したものしかなかったが、現在、その仮定を外したアルゴリズムの設計および解析を進めている。これにより、他の問題に対する自己安定アルゴリズムにおいて安全収束性を持たせる場合に必要な条件を整理できるものと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、最小連結支配集合問題に対する安全収束性を持たせた自己安定アルゴリズムの改良を行い、より細かい分析を行っていく。このアルゴリズムは安全性を支配集合の構築により保障していたが、さらに応用を考え、別の性質を安全性とした場合のアルゴリズムの設計を行っていく。
|