研究概要 |
本研究では,今後のテレビ会議システムで需要拡大が確実な多地点間接続(MCU)の高度化を目的とした,広域ネットワーク上を透過的に移動できるストリーム多地点接続機構を提案する。研究代表者らがこれまで進めてきた仮想化技術とIP移動透過技術,ストリームQoS制御技術に関する研究を多角的に組み合わせ,仮想計算機(VM)の広域マイグレーションをリアルタイムアプリケーションに適用可能なQoS保証手法の確立とMCU機能を展開するためのプラットフォームへの実装を進めた。以下に本年度の実績について具体的に述べる。 1.VM広域マイグレーション時のストリーム途絶時間を短縮するため,中継サーバを用いたマイグレーション支援の方法について検討した。プロトタイプを実装し,その一部を移動透過IPマルチキャストに対応する広域マイグレーションのための中継機能として利用することで,その有効性について検証した。これらの成果の一部について研究発表も行った。2.無線環境からのクライアント接続を想定し,無線LAN環境におけるIPマルチキャスト通信の特性評価とQoS制御手法について検討した。通信品質に応じてIPマルチキャストとIPユニキャストを使い分けることで,映像配信における品質劣化を抑制できることを確認した。この成果の一部についても研究発表を行った。3.MCUを動作させることを想定した,広域ストリーミングプラットフォームへの上記QoS機構の導入と検証についても実施した。
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