研究概要 |
本年度は,大量のセンサデータをリアルタイムに分析し,必要な情報処理を行うためのマルチエージェント指向センサ情報処理技術の設計・実装と,様々なサービスに対応可能な汎用性の高いセンサシステムのためのエージェント知識の自律的変更技術の設計を目標に,1.中間ホストにおけるエージェント指向センサ情報処理技術,2.センサ情報処理のためのエージェント知識の動的変更技術,3.評価用アプリケーションの構築の3項目に関して研究開発を推進した. 1.中間ホストにおけるエージェント指向センサ情報処理技術 本項目では,センサデータを処理するための知識を中間ホストに存在するエージェントに保持させ,センサノードから得られる大量のデータに対して必要なデータ解析・処理を行うための技術に関する研究開発を行った.具体的には,センサデバイスから得られたデータに基づき,中間ホストが自身の保持する知識を用いてセンサデータを解析・処理し,システムの動作に反映させるための仕組みを設計した.また,提案手法を用いた加速度センサによる行動推定を行うプロトタイプシステムを作成し,提案手法の評価を行った. 2.センサ情報処理のためのエージェント知識の動的変更技術 本項目では,中間ホストにおいて自律的にセンサデバイスで観測されたデータから知識を抽出し,それ以降に観測されたデータの処理に用いるための手法を設計した.また,その知識を環境と紐付けて蓄積し,類似した環境におけるデータの解析・処理に用いるための仕組みを設計した. 3.評価用アプリケーションの構築 今年度,本項目では評価用アプリケーションの機能要件を検討・整理した.具体的には,センサデータの処理遅延の許容度,センサデータに対する高度な処理の必要性に基づいて既存のセンサシステムを分類し,本提案手法が最も有効に機能すると考えられる対象を考察した.
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