研究概要 |
昨年度,当該研究では,研究計画に基づき,専用のハードウェア暗号処理モジュール(以降,暗号モジュールという)をもつマルチコアCPUにおいて,開発環境の調査を行った.ここで,マルチコアCPUとは,オラクル社SparcT2及びSparcT2plus,インテル社XEONを対象とした. また,一般的に広く利用されている暗号ライブラリであるOpenSSLの処理の一部をオラクル社SparcT2及びSparcT2plusの暗号モジュールにオフロードすることを試み,成功した.ここで,オラクル社SparcT2及びSparcT2plusにはコアが8つあり,それぞれのコアに一つずつ,暗号モジュールがある.それらの利用は,オラクル社により提供されている暗号ライブラリ(PKCS#11)を用いることにより可能であるが,本研究では,より効率的な暗号モジュールの利用を模索するため,過去の研究成果を活用して暗号ミドルウエアをオラクル社SparcT2及びSparcT2plusに移植し,暗号モジュールを直接利用する方法を採用した.移植した暗号ミドルウエアを用いて,オラクル社SparcT2及びSparcT2plusにおける暗号処理のオフロードを実現した. これにより,次年度以降の研究において,暗号処理の効率的なオフロード方式についての様々な検討を,プログラミングコードを用いて実証的に行うことが可能となった. よって,今年度における一定の成果を上げることできた.
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