研究概要 |
昨年度,当該研究では,研究計画に基づき,専用のハードウェア暗号処理モジュール(以降,暗号モジュールという)をもつマルチコアCPU(オラクル社のSparcT2,SparcT2plus,及びSparcT3)において,暗号モジュールにオフロードすることを試み,成功した.しかしながら,当該研究において実装したソフトウエアモジュールの安定化に問題があることが顕在化し,その修正を試みを行った.また,併せて,高速化の改良も行った.その結果,ソフトウエアモジュールの安定化及び高速化において,ある一定の成果を上げることができた.また,オラクル社から提供されている暗号ライブラリ(OKCS#11)との比較を行い,当該研究における手法が,より高速であることを確認し,その要因の解析も行った.これにより,暗号処理モジュールをもつマルチコアCPU(オラクル社SparcT2,SparcT2plus,及びSparcT3)において,一般的に広く利用されている暗号ライブラリであるOpenSSLの処理の一部をオフロードすることを可能とし,サーバの性能向上に寄与すると言える.また,当該研究における方式は,他の暗号処理モジュールをもつマルチコアCPUへの適用も可能であり,昨今,流行っている組み込み機器などへの適用も可能となる.次年度は,スマートフォンなどに搭載される暗号処理モジュールをもつマルチコアCPUへの適用も調査し,検討する.
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