研究課題
当該研究では,研究計画に基づき,第一段階として,専用のハードウェア暗号処理モジュール(以降,暗号モジュールという)をもつマルチコアCPU(オラクル社のSparcT2,SparcT2plus,及びSparcT3)において,暗号処理を暗号モジュールにオフロード(処理の委託)することを試み,成功した.また,第二段階として,実装したソフトウエアモジュールの安定化に課題があったので,その修正を行った.また,メモリを事前に確保するなどの手法を用いて,実装したオフロード機構の高速化の改良も行った.その結果,ソフトウエアモジュールの安定化及びオフロード機構の高速化において,ある一定の成果を上げることができた.また,オラクル社から提供されている暗号ライブラリ(PKCS#11)との比較を行い,当該研究における手法が,より高速であることを確認し,その要因の解析も行った.ここまでの成果により,暗号処理モジュールをもつマルチコアCPU(オラクル社SparcT2,SparcT2plus,及びSparcT3)において,一般的に広く利用されている暗号ライブラリであるOpenSSLの処理の一部をオフロードすることを可能とし,サーバの性能向上に寄与することが期待できる.また,当該研究における方式は,他の暗号処理モジュールをもつマルチコアCPUへの適用も可能であり,昨今,流行っている組み込み機器やスマートフォンなどへの適用も可能となる.今後は,スマートフォンなどに搭載される暗号処理モジュールをもつマルチコアCPUへの適用も調査し,検討する.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE Transactions on Information and Systems
巻: Volume E95.D, Issue 3 ページ: 797-803
情報処理学会 論文誌
巻: Vol.53, No.2 ページ: 786-796