研究概要 |
本年度は、ボリュームデータの位相分類法に関する研究を行った。ボリュームデータは、明示的な位相構造を持っていないため、ポリゴンなどの境界表現に変換したときに、意図しないポリゴンを生成することがあった。本研究では、ボクセル空間で境界表現の位相要素に相当する位相タイプを隣接ボクセルから推定する手法を提案した。提案手法では,始めに5x5x5のマスクを用いて,大まかな位相を見積もる.次に,位相分類が終わった各ボクセルについて,隣接ボクセルの位相タイプを推定することで,より詳細な位相タイプを決定した.得られた推定結果をもとにポリゴン化を行うことでポリゴン化の品質を向上させることができた。 また、構造解析技術を用いて輝度値の変化が少ないようなボリュームデータの領域分け手法を開発した。特に、これまで手動で与えていた拘束条件と荷重条件を、ユーザ指定の関心領域(ROI)を大まかに与えることによって、半自動的に計算できる手法を開発した。拘束条件は、すべてのケースについて計算しひずみの分布を評価することで計算する。このとき、形状を大まかにクラスタリングすることで、総当たりの回数を大幅に減らし、現実的な時間で計算できるようになった。荷重条件は、ROI内におけるひずみの総和からなる誤差関数を定義し,それを最大化させるような荷重条件を用いる。最大化には,最急降下法に基づく手法を用いた.以上により、少ない入力で領域分けができるようになった。
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