研究概要 |
平成22年度では主にユーザの検索意図の推定に関する研究を行った.具体的には,インタラクティブな画像検索を実現するために,ブロック分割と置換えを利用する方法を提案した.提案手法では,はじめにユーザに提示された検索質問(クエリ)画像に類似した検索候補をデータベース画像(以降DB画像と表記する)から出力する.次に,所望するものに似ていると判断した画像をユーザによって検索候補から選択した後,初期クエリ画像と選択された検索候補を小領域(ブロック)に分割し,クエリの各ブロックに対して最も類似した検索候補のブロックを検索し置換えることで人工的なクエリ画像を作成する.最後に,人工的なクエリ画像から求めた特徴量に基づいて再び類似検索を行い,以上の手順をユーザの所望する画像が得られるまで繰り返す.この方法により,検索意図を反映した類似検索をユーザが特徴量について熟知することなく直感的に実現できるようになり,その効果をWANG datasetとCaltech101 datasetの二種類のデータセットを用いた実験により示した.結果として関連フィードバックと比べて提案手法の方が高い検索精度を達成できることを示した.今後は,使用できる特徴量の種類を増やしたり,提案手法を携帯端末上に実装したりして,実用化に向けた取り組みに注力する予定である.
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