研究概要 |
キーワードによる画像や動画像の検索では,システムの索引付けの特性に合わせてユーザが適切なキーワードを試行錯誤的に探索する必要がある.一方,内容に基づく類似検索の場合,色や形などの数値で表された特徴量に基づいて類似検索が行われるため,それらの特徴量をユーザが理解していなければ満足できる結果は得られない.そこで,ユーザがクエリ(検索質問)として利用できる画像や動画像を適合性フィードバックと我々が開発したブロック分割に基づく一般物体認識の技術を応用して人工的に作成し,それらを新たなクエリとして類似検索を行う方法を提案し,キーワードや特徴量を気にすることなく直感的に画像や動画像の類似検索を実現できる方法を開発する. 平成23年度では,クエリの自動生成法の開発と,類似検索の評価について研究を行った.クエリの自動生成では,我々の開発したブロック置換えに基づく一般物体認識の手法を拡張した.すなわち,まず関心領域を検索候補から切出し,切出した画像を小領域(例えば同じ大きさのブロック画像)に分割する.次に,これらの小領域から検索意図の推定で決定した特徴量を抽出し,関心領域との類似度を計算する.その後,類似度が最大となるブロックとの置き換えを行うことでクエリの自動生成を行い,これを新たな検索キーとして再建策を行う.これを国際ベンチマークデータであるCaltec-101に適用したところ,従来法よりも高精度な類似画像検索を実現することができた.
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