研究概要 |
本研究はインターネットから幸福なライフスタイルに関する情報を選択的に閲覧する手法の基盤となる知識ベースの構築を目的とする.具体的には,人々の活動の様子について記述されたブログの文章を自動解析し,とりわけ,楽しい事柄を検索する技術の開発を行う.本技術により,人々が幸福な生活情報を得ることが容易になり,人々の満足度や意欲・理想の向上に繋がることを期待する、また,知識ベースという形式をとることで自然言語の意味処理のハードルを下げることを目指す. 平成22年度は,活動の様子などの事態を解析を解析するための言語知識ベースの開発,ブログのコメント部を解析するための言語知識ベースの開発,および,ブログのコメント部に対する対話行為タグの付与を目標としていた. 事態解析用知識ベースは,日本語語彙大系(岩波書店)の用言パターンを基礎とした.語義に曖昧性のないパターン(のべ3,660件)に「事態構成要素」という新しい情報を追加した.これにより移動先などが解析可能になった.今後,事態解析の実験を進める.一方,ブログを分析すると,対話行為を手がかりとした解析では,分析能力が未だ見込めないことが分かった.そこで,単語の特徴度に注目した解析手法に切り替えて検討を進めた.観光地分析(旅行者の楽しい体験の分析)やブログのコメント先の解析という応用実験を行ったところ,妥当性を確認することができた.今後,言語知識ベースの構築に向けて考察を深める.
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