研究概要 |
本研究はインターネットから幸福なライフスタイルに関する情報を選択的に閲覧する手法の基盤となる知識ベースの構築を目的とする.具体的には,人々の活動の様子について記述されたブログの文章を自動解析し,とりわけ,楽しい事柄を検索する技術の開発を行う.本技術により,人々が幸福な生活情報を得ることが容易になり,人々の満足度や意欲・理想の向上に繋がることを期待する.また,知識ベースという形式をとることで自然言語の意味処理のハードルを下げることを目指す.なお,実益を分かりやすくするために,実験を観光分析と関連させている. 平成23年度は,プログの文章から行動を抽出するための言語知識ベースの開発,感情推定のための言語知識ベースの強化,および,テキスト対話からの感情推定の実験を行った. 当初予定では,事態解析用知識ベースの新規開発を計画していたが,予備調査により,行動に関する事態に限定して開発を進めるべきと考え,行動抽出のための言語知識ベースを開発した.その結果,開発対象となる「行動を表す動詞」を得ると同時に体験談の分析に適用できることを実験により確認した.感情推定用知識ベースの強化は,感情推定を行う条件項目に対する改良であり,相反する価値のあるオブジェクトの事態解釈を可能にするものである.最後に,テキスト対話からの感情推定の実験は,当初の予定のとおり対話行為の解析を含むものである.教師有り機械学習SVMを用いて対話行為を解析するとともに,そこで得られる心的状態を感情推定に利用するものである. 対話行為の解析と文末表現の解析は,パターン知識よりも単語n-gram知識の方が利用し易いことが確認された.そこで,次年度は,行動を表す動詞の事態解析用知識ベースの開発,感情推定用知識ベースの強化の継続,および,事態対パターンの作成を中心に行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は,申請時の平成23年度計画の達成促進のための準備的な研究であったが,平行して申請時の平成24年度計画の一部を実施した.すなわち,実施内容の一部入れ替えであるため,進展は計画のとおりである.
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今後の研究の推進方策 |
申請時の平成23年度計画にて,事態解釈のための知識ベースの新規開発を設けていたが,事態の幅が広すぎるため,進展が難しかった.しかし,平成23年度の成果より,実益を得るために必要とされる事態の幅に目処を得た.そこで,平成24年度は,その範囲で知識ベースの新規開発を進めることにする.
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